撮影後にできること(基本的な補正)

歪み修正後に基本的な補正で仕上げる

●仕上げまでの最後のステップ

露出、明るさ、ハイライト、シャドウ、シャープネス・・・

なんとなく出来る補正を感覚的に理解して必要なものをチョイスしましょう。

すでにここまで説明が長くなっているのでなるべく簡潔にします。

●補正の種類

画面下部の左側のつまみのようなアイコンが選択されていることを確認してください。

下記画像の赤枠部分に調整できる項目が表示されます。左にスライドさせると項目が選択できます。

●自動補正

一番左は「自動」です。

ここをタップすると、アプリ側が自動で明るさや色合いなどを調節してくれます。

ですが、大体はそんなにいい感じにはならない気がしますので、とりあえず押してみて、よかったらそのまま使用すればいいですし、良くなかったらそこから個々の項目を調整して補正するといいですね。

●露出

次は「露出」です。

露出は、実際には撮影時に光を取り込む量を決める為のものですが、撮影後にも擬似的に変更する機能です。ちなみにこのあと「明るさ」という項目も出てきます。この明るさは、画像全体の明るさを調整するものです。

露出の特徴は画像を暗くしても暗い部分の階調がある程度残っていて、明るい部分は明るくすればするほど階調がなくなって画像がネガのように反転してしまいます。

逆に明るさは、暗くすると暗い部分の階調が潰れてしまい、明るい部分はそんなに明るくなりません。

説明すると難しいので、実際に撮った写真などでスライダーを動かしてなんとなく理解していただけると思いますので一度試してください。

●ブリリアンス

次は「ブリリアンス」です。

聞きなれない言葉ですが、機能としては、写真の暗い部分を明るくし、ハイライト部分を暗くして写真全体の明るさのバランスを取り、それによって眠い調子になった分のコントラストを加えてくれる機能です。

●ハイライト

次は「ハイライト」です。

ハイライトは一番明るい部分を中心に補正することができます。白飛びしてしまっている部分の階調を抑えたりする時に使います。

明るい方に動かしすぎると白い部分がネガのように反転してしまうのであまり大きく動かさない方がいいかもしれません。逆に暗い部分などには影響しません。

●シャドウ

次は「シャドウ」です。

シャドウは、暗い部分を中心に補正をすることができます。明るい部分には影響しません。

●コントラスト

次は「コントラスト」です。

コントラストは写真の明るい部分と暗い部分の差のことを指していて、強くすると明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗くなり、メリハリのある雰囲気になります。逆に弱めると、全体的に柔らかい軟調な雰囲気になります。

●明るさ

次に「明るさ」です。

明るさは写真全体の明るさを補正することができます。

先ほどの露出とは違い、「彩度」にも影響するので、明るくすると色味も薄まり、暗くすると彩度が濃くなるのが特徴です。

●ブラックポイント

次に「ブラックポイント」です。

ブラックポイントは、黒の黒さを決める項目です。何を言ってるのかわからないかもしれませんが、黒の明るさというか、黒をどれくらいの黒さとして表現するかを設定します。

明るくすると全体的にフワッとした柔らかい雰囲気になります。全体的に黒に締まりのない写真の場合はプラス側にして黒を締めてください。

●「彩度」

次は「彩度」です。

彩度は文字通り色合いの濃さを調整する機能です。写真全体の彩度を調整するので強くすれば鮮やかに、弱くすればモノクロになります。やりすぎると色飽和(彩度が潰れてしまう)を起こしてしまうので、調整するときは注意しましょう。

●自然な彩度

次に「自然な彩度」です。

自然な彩度は彩度と違い、写真全体ではなく、彩度の弱い部分を中心に補正がかかるので、彩度よりもきつい色合いにはならず、また、彩度を下げてもモノクロにはなりません。大きくスライドしても自然に仕上げてくれます。

●暖かみ

次は「暖かみ」です。

暖かみはいわゆる暖色系と寒色系を調整できます。冷たい色味か、タングステン電球のような暖かい色味という表現がわかりやすいでしょうか。お好みで調整してください。

●色合い

次は「色合い」です。

色合いは、先ほどの暖かみが青↔︎黄だったのに対して緑↔︎赤という補正ができます。暖かみで調整しきれなかった色味を補正することができます。

●シャープネス

次は「シャープネス」です。

シャープネスは、輪郭がはっきり見えるかどうかでシャープさを表現しています。強くすれば輪郭が強調されシャープに見え、弱くするとフワッとした優し感じになります。

●精細度

次は「精細度」です。

精細度はシャープネスと似ていますが、シャープネスは輪郭を調整するのに対して、精細度は写真全体に影響するので輪郭のないところのまで不要にざらつきのようなものが出てくるのであまり強くかけすぎない方がいいかもしれません。

先ほどのシャープネスに比べて床材の輪郭だけでなく、面の部分にもざらついています。

●ノイズ除去

次に「ノイズ除去」です。

ノイズは拡大しないとわかりにくいですが、暗い部分や影などに出やすいので、気になるようでしたら調整します。また、シャープネスや精細度を適用することでノイズのようなざらつきが出た場合にも使えます。

シャープネスとノイズは切っても切れない関係で、シャープネスをかけるとノイズが出てきて、ノイズを消すためにノイズ除去をかけるとシャープネスが失われてしまいます。共にかけすぎるとお互いの特徴を消しあってしまうので、程々に適用しましょう。

ちなみに、シャープネスをかけ、ノイズを消し、またシャープネスをかけ、ノイズを消し・・・と何度も繰り返すと画像が劣化してしまいます。写真が少し眠い、シャープさが足りないと思ったら少しだけシャープをかける程度に留めて、気になるノイズがあったら少しだけノイズ除去を適用するといった具合に、元の写真よりも少し良く見えるだけでも質が上がるのであまり欲張らないようにしましょう!

●ビネット

最後は「ビネット」です。

効果は画像の通りです。左にスライドすると画像の四隅が暗くなります。薪ストーブの炎をメインにした写真などに適用するとそこにだけ視線が向いて渋い雰囲気になりそうですね。

右にスライドすると、四隅が明るくなります。白い背景のSNSやブログなどに写真が溶け込み一味違った雰囲気にすることもできます。

暗くしても問題はありませんが、明るくしずぎると写真によっては白飛びしてしまうこともあるので適度に使用しましょう。

補正が終わったら右下の黄色い「✔︎」をタップすると保存されます。

これらの基本的な補正を組み合わせて出来上がった画像がこちらになります。

いかがでしょうか。

比較のために撮りっぱなしの写真、歪み補正後の写真、完成写真を見比べてみましょう。

撮りっぱなし
変形のみ
基本補正済み

私の場合は仕事柄ちゃんとした写真を撮り、事細かに補正をして納品しなければならないのでそれをベースにお話をしてきましたが、SNSやブログ等に載せる写真においては白飛びしてる部分があってもいいし、色味がどきつくてもいいし、モノクロでもいいし、あまり枠にとらわれなくても良いと思います。見せたいものが伝わっているか、自分の思ったように撮れたか、自分らしさが出ているか、そこを大事にするのが一番だと思います。

今回お話した補正項目は、こんなふうに補正ができるということを知っていただければいいだけで、項目の名前など覚える必要もありません。もちろん全部の補正項目を使う必要はありません。なんなら、使わない項目が多ければ多いほど元の写真が良い証です。必要な補正のみを使ってください。

●編集内容をコピー&ペースト

写真一枚一枚に対してここまで時間をかけて補正はしてられないなーという声もあると思います。そんなときは画面の右上にある「・・・」をタップします。

今補正した全ての編集内容をコピーできます。

他の補正をしていない画像を開き「・・・」をタップすると「編集内容をペースト」でコピーした同じ補正内容を適用してくれます。

明るさなどが異なる写真の場合はそこから微調整が必要になってしまいますが、色味だったり、雰囲気を掲載する写真で統一したい時などには便利な機能ですね。

●補正した画像を元に状態に戻す

一度補正した画像を元の状態(撮りっぱなし)に戻したいときは再度写真を選んで「編集」を押すと右下に「元に戻す」とあるのでそちらをタップしてください。

●画像を複製する

元画像と編集済みの画像両方を残したい場合は写真を選んだ状態で編集の右横にある「・・・」を押すと「複製」とあるので編集前に複製を作ってから補正をすると良いですね。もちろ補正後のデータを複製して、どちらか一方のデータを元に戻しても構いません。

●最後に

撮影する時の注意点、撮影時にできること、撮影後にできることを見てきました。

情報量が多く頭に入ってこないと思いますが、なんとなく頭の片隅に残ってるくらいで大丈夫です。一番大事なのは写真を撮ることで、それを目的に沿って人に見せたり伝えたりできます。

ここでの記事と、当日皆さんにはお持ちのスマートフォンで薪ストーブ周りの撮影をしていただこうと思っていますので、その経験から今までよりも、少しでも「写真を撮る」ということを意識していただけると、今後のお仕事や活動につながっていくと思います。

私の手元にはiPhoneしかなくて、Androidを使っている方にはわかりにくくてすみません。

ただ、おそらくAndroidのカメラ機能にも同じような設定はあると思うのでお手元のカメラを起動してどんな項目があるのか確認してみてください。撮影後の編集についても同じくカメラロールから写真を選んだ先に出来る補正項目もあると思うのでそちらも併せて確認してみてください。

iPhoneと違う項目やオリジナルの機能があるかもしれないので、もしわからないことがありましたら実際の写真教室の時に遠慮なく聞いてください。

当日、みなさんとお会いできること楽しみにしております!

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